認められたものと、認められなかった気持ち。
「赤と黒とゼロのダンス」を
ひとくぎりつけて、こちらで新しく書き始めようかなと思う。あっちでは辛いこととか仕事の話とかあえて書かなかった。
風の噂で俺について聞こえてくる話もあったけど、どうでもいいことだった。
ゆうべは眠る前にパニック発作でとても苦しかった。
結局5時ころまで起きていて、それでもいつの間にか眠れていた。
7時半ころに目が覚めたけれど、なぜかすげえ気持ちよかった。
少しだけでも眠れることって大事なことなんだって思った。
今の仕事については、うん、悪くない。
これはほんとに、あっちでは仕事がどうしたとか書くつもりはなかったから
ずっと書かなかったことだけど、新しく書き始める今だから言うけど、閉鎖病棟なんて場所にぶちこまれた俺が、
いちおうちゃんとしたとこに就職できるまで、ほんとうに苦労した。
血のにじむようなつらさだった。どれだけ、どれだけ悔しい想いしたか。
でも決まったときの嬉しさは、半分だけだった。
その時出した履歴書は、俺が書いたものじゃなかったから。
「ヤツ」と一緒に喫茶店でコーヒーと紅茶でねばって、何通も何通も何通も履歴書を、
「志望動機」の欄だけ空けて書きためてた。
俺の履歴書を書き写すのをあいつは一緒に手伝ってくれた。それは、すげえ楽しいことだった。楽しかった。
そのうち、狙いをさだめていたところに、俺が書いた履歴書じゃなく、
あいつが書いたものを、すがるような気持ちで祈りながら提出した。それが認められた。
ほんとうならこんなに嬉しいことがあるか、って気持ち。だったんだけど