青空のかなたへ。

公園。

まだ、幼い子供たちが、戯れてはしゃいでいるのを見て、

初夏の日差しが木々を、子供達を、そして自分を照らしているのを見て、

彼は想う。


もし、この命が、

あの子たちをもの悲しげに見つめている俺のこの命が、

既に尽きてしまっているのならば。


飛ぼう。あの太陽に向かって。

この空に向かって。

飛び立とう。


そして行こう。約束をした場所へ。



もう、気付いてしまおうじゃないか。

「現実」なんてものが、幻想だったということに。

さあ、もう、目を覚ます時間だ。


さあ、目を覚まそう。こんな夢を見ているくらいなら。


そして、行こう。


あの太陽、あの蜘蛛を目がけて、飛び立っていこう。