どこにも、無頓着な人はいる。
会社の上司。先輩。友人。

十舞は華奢だ。
すごく華奢だ。

だから、仕事も大変だ。

「十舞(俺)なんて華奢じゃないですか、だからもうへとへとで」
そんなことを食事中に言った。
(ホームスティしているのだ)。


そのとき(今日)は特に理由はないけれど、
身体がくたくたになってすごく疲れていた。今もだ。


それを聞いたその家の奥さんというか、おばあさんが、
「あんたみたいな華奢な人、女の子でもいない。この仕事向いてないんちゃうん」
と言った。
「これくらいで音を上げるようならはっきり言って無理。ムリ」

音を上げているつもりもないのに、
どこまでもがんばるつもりなのに。

ただ、今日はなぜだかわからないけど特に疲れたという話をしただけなのに。

このおばあさんは全然悪びれることなく、本当に、ごく普通に、思ったことを
口にしているだけなのだ。

老人はいつだってそうだ。
「最近の若者は」なんていうけれど、本当にマナーが悪いのはいつだって老人だ。
人の気持ちを考えないのだって、いつだって、老人だ。


やることはやっているのに。

必要以上にやっているのに。

周りに知り合いがいないのが精神的につらいんですよね、
という話をしても、

「ほならこんなとこにいたってしゃあないしムリ。知り合いが欲しいなら都会にでも
出たらええんちゃうん?そうやろ?」

そういう意味で言ってるわけじゃないのに。

すごく不快だ。

老人なんて大嫌いだ。