久しぶりに本当の日記を書いていこうと想う。
今、十舞は北海道で仕事をしている。
動物に携る仕事で、精神的・身体的にとても厳しい仕事だ。

初めの十日ほどでストレスや疲労が限界に達してしまい、
雨の中倒れてしばらく意識を失ってしまったこともあった。
それを人に言ってしまうと、使えない奴だと思われてしまいそうだと思ったから、
その後も何事もなかったふりをして仕事を続けた。

環境的なことをもう少し詳しく書くと、ホームスティ、
いわゆる住み込みで働いている。朝は新聞配達並みに早い。
休みは月に1日だけ。

自分が選んだ仕事だから、不満を言うつもりはない。
けれど、身体を休ませるためのほんのわずかな時間もなく、
実際、大変な毎日だ。

映画を見に行ったり、本を読む時間もあればいいと想う。
煙草を一服する時間もあればいいと想うし、雑誌だって読みたい。
買い物に行く時間やインターネットの時間、
音楽を聴く時間も欲しい。
何をする、遊びたいとは言わない。ただ疲れている身体を
ゆっくり休めるための休みもあれば、と心から想う。
一人になりたい時間も欲しいし、
時には酒を飲んで眠りたいと想う事もある。

決して不満を言っているわけじゃない。
書くことで少しでも発散することができれば、と想うからだ。


励ましあえる仲間も、友達もここには誰もいないことはとても苦しい。
少し歳の上の人にすべてを教わっている毎日だけど、
彼も、疲れきっている十舞を見て、
環境の変化に伴う大きなストレスを抱えてしまうのは誰でも当然なのに、
彼のプライベートな問題があるため、今、十舞のそういった面に
なかなか気を回すことができず申し訳ないと想っている、と言ってくれている。

ある時十舞が、彼に理不尽なことを言われたときがあり、
その時の十舞も、すべての面で参っていたこともあって、
彼に食って掛かってしまったことさえあった。

まだそんなことを言える立場でもないし、
つい思い余っての反抗だったとはいえ、よほど積もっていた感情が
爆発したんだろうと想う。

彼は「不満があるんだったら他へ行け。紹介状を書いてやる」とまで言った。
それだけ頭に来たんだろうと想う。

でもその後、「あの時は言い過ぎた、悪かったな」と言ってくれた。
「少しはこちらも考慮すべきところは考慮しなければいけなかった」と。
十舞も自分の気持ちを伝えた。
結果的に不協和音が生じることもなく、お互いに腹を割ってぶっちゃけたことで
いい結果になったと想う。



俺は今、寂しい。

・・・。

携帯電話も壊れてしまった。


寂しい。